バスのデジタコ装着義務と便利な機能【2025年最新版】

 

バスのデジタコ(デジタル式運行記録計)は、安全運転の促進と運行管理の効率化に欠かせないツールです。本記事では、バスへのデジタコ装着義務の詳細と、業務改善に役立つ機能についてわかりやすく解説します。

バスのデジタコ装着義務について

デジタコとは?

デジタコとは「デジタル式運行記録計」の略称で、バスの走行時間、距離、速度などの運行データを自動的に記録する装置です。従来の紙式記録計(アナログタコグラフ)に代わり、デジタル化によってより正確で効率的なデータ管理が可能になりました。

デジタコの装着が義務付けられるバス

バスのデジタコ装着は、以下の条件に該当する場合に義務付けられています。

装着義務があるバス:

  • 全ての貸切バス
  • 緑ナンバーで運行しているバス(アナログ問わず)

自家用の白ナンバー車両については、監査や罰則といった行政上の措置を受けることはありません。ただし、車両総重量が8トン以上、あるいは最大積載量が5トン以上という基準を満たす場合は、タコグラフの取り付けが求められます。これらの規定に該当する車両は、タコグラフが未装着の状態では車検の合格が難しいとされています。

なぜバスにデジタコが必要なのか

バスは多くの乗客の命を預かる公共交通機関です。デジタコの導入には以下のようなメリットがあります。

安全運転の促進: 急発進、急ブレーキ、急ハンドルなどの危険運転を客観的なデータとして記録できるため、ドライバーへの具体的な指導が可能になります。

事故予防効果: 実際にデジタコを導入したバス事業者の多くが、事故件数の減少を報告しています。運転の「見える化」が、ドライバーの安全意識向上につながるのです。

運行管理の効率化: 運行管理者がドライバーの勤怠状況や運転傾向をリアルタイムで把握でき、適切な労務管理と安全管理が実現します。

バスのデジタコに求められる便利な機能

バス事業者がデジタコを選ぶ際、基本的な記録機能に加えて以下の機能があると業務効率が大幅に向上します。

1. ドライブレコーダー(ドラレコ)連携機能

一体型のメリット: 通信型ドラレコと一体化したデジタコなら、運行中でもリアルタイムで映像を確認できます。事故や乗客トラブルが発生した際、即座に状況を把握して迅速な対応が可能です。

コスト削減効果: デジタコとドラレコの通信回線を一本化することで、通信費やメンテナンスコストの削減が期待できます。

2. 各種データ自動連携機能

業務効率の大幅アップ:

  • 発着地情報の自動入力
  • ETC連携による有料道路走行データの自動記録
  • 空車・待機・休憩・給油などの作業情報入力

これらの機能により、帰庫後の日報作成作業が大幅に簡素化され、ドライバーと事務スタッフの負担が軽減されます。また、正確な勤怠管理データとしても活用できます。

3. 燃費管理機能

経費削減と安全運転の両立: バスは基本的に決まったルートを走行するため、適切な運転による燃費改善効果が測定しやすい車両です。燃費データを可視化することで、以下の効果が期待できます。

  • 燃料コストの削減
  • 丁寧なアクセル・ブレーキ操作の習慣化
  • 滑らかな速度調整による乗客の快適性向上
  • 環境負荷の低減

4. クラウド型システム

リアルタイム管理の実現: 従来のカード型デジタコは、帰庫後にパソコンへデータを読み込む必要がありましたが、クラウド型なら無線通信で自動送信されます。

大規模事業者に最適:

  • 複数車両のデータを一元管理
  • データ変換作業の省略
  • 遠隔地からでも運行状況を確認可能
  • システムアップデートが自動で行われる

多くのバスを運行する事業者ほど、クラウド型のメリットを実感できるでしょう。

バスのドライブレコーダー装着義務について

デジタコとあわせて理解しておきたいのが、ドラレコの装着義務です。

ドラレコ装着が義務化された背景

平成29年(2017年)、貸切バス事業者に対してドラレコの装着が義務化されました。これは、重大なバス事故が相次いだことを受けた安全対策の強化です。

事業者の義務:

  • ドラレコの装着
  • 映像記録を活用したドライバーへの定期的な指導・監督

今後の装着義務拡大の見通し

現在は貸切バスが対象ですが、交通安全への社会的要請の高まりを受け、今後は以下への拡大が見込まれます。

  • 市街地を走行する路線バス
  • 企業や学校の送迎バス
  • その他のあらゆる旅客バス

ドラレコ一体型デジタコという選択肢

デジタコとドラレコの両方を導入する場合、一体型製品がおすすめです。

一体型の主な利点:

  • 設置スペースの節約
  • 配線作業の簡素化
  • データの統合管理
  • 危険運転検知機能(ふらつき、急発進、急ブレーキなど)
  • 自動警告音による事故予防

一体型なら相性を気にする必要がなく、導入後のトラブルも最小限に抑えられます。

まとめ:バスのデジタコ導入で安全と効率を両立

バスのデジタコは、安全運転の促進と業務効率化を同時に実現する重要なツールです。

デジタコ導入のポイント:

  1. 自社のバスが装着義務の対象かを確認
  2. 必要な機能(ドラレコ連携、データ連携、燃費管理、クラウド型など)を明確化
  3. ドラレコとの一体型も検討
  4. 導入後の運用体制(データ活用方法、ドライバー指導方法)を計画

デジタコは単なる記録装置ではなく、バス事業の安全性向上と経営改善に貢献する投資です。自社の運行形態に最適なデジタコを選定し、より安全で効率的なバス運行を実現しましょう。