2014年4月の貨物自動車運送事業輸送安全規則の改正により、車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上の車両には運行記録計の装着が義務化されました。この義務化から約10年が経過し、運行記録計はアナログ式からデジタル式(デジタコ)への移行が進み、現在ではネットワーク型デジタコが主流となっています。
この記事では、2024年現在の運行記録計の最新機能、価格相場、そして導入時の注意点について解説します。
■義務化の背景と現状
運行記録計の装着義務化が進められた背景には、以下の課題がありました。
- 積載超過の繰り返し: 貨物車両の積載超過による道路損傷や輸送安全性の低下を抑制する必要がありました。
- 死亡事故や重大事故の多発: 特に中型・小型トラックでも長距離輸送による事故が多発しており、安全性の確保が急務とされました。
2024年時点では、ドライブレコーダー機能を備えたデジタコが標準化されつつあり、運行記録の信頼性と精度がさらに向上しています。
■ネットワーク型デジタコの最新機能
従来のアナログ式タコグラフに代わり、現在主流となっているネットワーク型デジタコには以下のような機能があります。
- リアルタイムデータ記録: クラウド上に運行データを保存し、運行中のリアルタイム状況を確認可能。
- 多彩な情報収集: 運行距離、速度、エンジン回転数に加え、急加速・急減速、アイドリング、燃費、GPS位置情報などを記録。
- ドライブレコーダー機能: 映像記録を統合し、事故時の状況把握や運行管理に役立つ。
- 自動データ解析: 専門知識が不要な分かりやすい形式でデータを表示し、日報作成が不要に。
■価格相場と補助金活用のポイント
2024年現在のネットワーク型デジタコの価格相場は以下の通りです。
- シンプルモデル: 基本的な運行記録機能のみのモデルは約5万~8万円。
- 多機能モデル: ドライブレコーダー一体型や高度な解析機能を備えたモデルは10万~20万円以上。
価格は機能によって大きく異なりますが、国土交通省や地方自治体、業界団体からの補助金や助成金を活用することで、導入費用を大幅に抑えられます。
たとえば、現在では、ドライブレコーダー一体型デジタコを導入する企業に対し、購入価格の一部を補助する制度が多くの地域で用意されています。
■導入時の注意点
デジタコを選ぶ際には、自社の運行形態や管理のニーズに合わせて最適なモデルを選ぶことが重要です。以下のポイントに留意してください。
- 必要な機能を明確にする: 全ての機能を活用できるわけではないため、必要な機能を選定。
- 補助金・助成金を確認する: 適用可能な助成金制度を事前に調査し、有効活用。
- 運用コストを計算する: 初期費用だけでなく、クラウドサービス利用料などのランニングコストも考慮。
■まとめ
ネットワーク型デジタコの普及により、運行管理の効率化と安全性向上が進んでいます。自社にとって最適なデジタコを選ぶためには、機能、価格、補助金制度をよく比較検討することが重要です。
法令遵守や安全性の向上を実現するために、最新技術を活用したデジタコの導入をぜひ検討してください。補助金制度を活用すれば、コストを抑えつつ、高性能なモデルの導入が可能です。