はじめに:今が準備のチャンス!
2024年問題を経て、運送業界ではデジタルタコグラフ(デジタコ)の導入が急速に進んでいます。2025年度も国や業界団体から手厚い補助金制度が用意されており、2026年度も同様の支援が継続される可能性が高いと見られています。
補助金申請は「知らなかった」「準備が間に合わなかった」では手遅れになってしまいます。今のうちから制度を理解し、導入計画を立てておくことが成功の鍵です。
本記事では、2025年度の補助金制度を徹底解説し、2026年度に向けた準備のポイントをお伝えします。
2025年度に利用できる主な補助金制度
1. 事故防止対策支援推進事業(国土交通省)
制度の特徴
国土交通省が実施する、交通事故防止と輸送安全性向上を目的とした補助金です。デジタコやドライブレコーダー一体型機器の導入を支援します。
補助内容
- 補助率:取得費用の1/2
| 機器種別 | 車載器上限 | 事務所用機器上限 |
|---|---|---|
| デジタコ標準型 | 3万円 | 10万円 |
| ドラレコ一体型 | 4万円 | 13万円 |
| 通信機能付き一体型 | 10万円 | 13万円 |
- 1事業者あたり最大80万円(通信機能付きは120万円)
対象事業者
- 車両10台未満
- デジタコ未導入
- 一般貨物自動車運送事業者または特定貨物自動車運送事業者
- 補助対象機器を貸与するリース会社
⚠️ 申請期間(2025年度)
令和6年度補正予算事業:令和7年5月8日(木)10:00~令和8年2月13日(金)17:00
令和7年度事業:令和7年7月31日(木)10:00~令和8年2月13日(金)17:00
※予算消化率90%到達(2026年1月時点)!早期申請が必須です
こんな事業者におすすめ
- 初めてデジタコを導入する中小事業者
- 安全運転指導を強化したい
- ドライブレコーダー一体型を検討している
2. トラック輸送省エネ化推進事業(経済産業省・国土交通省)
制度の特徴
燃費改善と省エネルギー化を目的とした、経済産業省と国土交通省の連携事業です。デジタコ導入だけでなく、システム費用や工事代も補助対象となる点が大きな特徴です。
📢 令和7年度の受付状況:3次公募まで実施済み(令和7年8月29日~9月8日)で受付終了
令和8年度(2026年度)の公募情報は、令和8年春頃に発表される見込みです。
補助内容(2025年度実績)
- 補助率:導入費用の最大1/2
- 補助上限:14万円/1台
- 対象台数:1事業者あたり最大30台(優遇措置対象車両は最大60台)
- 工事代・システム費も補助対象
導入条件
- ✓ 予約受付システムまたは配車計画システムとの連携(既存システムでも可)
- ✓ 省エネ効果3%以上の達成計画
- ✓ 車両運行データの報告(実働10日間以上)
優遇措置対象車両
以下の車両は上限台数が緩和されます:
- 非化石トラック(EV、PHEV、水素燃料車両、バイオ燃料・合成燃料使用車両)
- 省エネ法に基づく自動車燃費目標基準(2025年度目標)を満たすトラック
対象事業者
- 貨物自動車運送事業者
- 第二種貨物利用運送事業者
- 自家用トラック事業者
- 荷主等
- リース事業者(5年以上のリース契約)
申請期間(2025年度参考)
| 公募回 | 期間 |
|---|---|
| 1次公募 | 令和7年7月4日(金)14:00~7月14日(月)16:00 |
| 2次公募 | 令和7年7月28日(月)14:00~8月8日(金)16:00 |
| 3次公募 | 令和7年8月29日(金)14:00~9月8日(月)16:00 |
こんな事業者におすすめ
- 複数台まとめて導入したい
- 既に配車システムを導入している
- 燃費改善に本気で取り組みたい
3. 自動点呼機器導入支援事業(全日本トラック協会)
制度の特徴
運転手の点呼を自動化し、運行管理の効率化と人手不足対策を支援する制度です。デジタコと連携した自動点呼システムの導入に活用できます。
補助内容
| 事業者区分 | 補助上限額 | 対象台数 |
|---|---|---|
| 一般会員企業 | 10万円 | 1台 |
| Gマーク保有事業所 | 20万円 | 2台 |
- 機器本体、周辺機器、セットアップ費用、契約期間中のサービス利用料が対象
対象事業者
各都道府県トラック協会の会員である中小トラック運送事業者
申請期間
各都道府県トラック協会により異なります。所属する協会にご確認ください。
多くの協会で令和7年4月1日~令和8年2月27日を申請期間としています。
こんな事業者におすすめ
- 点呼業務の負担を軽減したい
- 深夜・早朝の点呼体制に課題がある
- IT点呼を導入したい
4. IT導入補助金2025(経済産業省)
制度の特徴
デジタコと連携する運行管理システムや業務ソフトの導入を幅広く支援します。インボイス対応も含めた総合的なIT化に活用できます。
補助内容
通常枠
- 補助額:5万円~450万円
- 補助率:1/2(条件付きで2/3)
インボイス枠
- 補助額(ソフト):最大350万円
- 補助率:50万円以下は最大3/4(小規模事業者は4/5)、50万円超は2/3
- ハードウェア(PC・タブレット等)も一部対象(上限10万円~20万円)
申請期間(2025年度)
| 締切 | 期日 |
|---|---|
| 第1次締切 | 2025年5月12日(月) |
| 第2次締切 | 2025年6月16日(月) |
| 第3次締切 | 2025年7月18日(金) |
支援枠により締切日が異なります。詳しくは公式サイトをご確認ください。
こんな事業者におすすめ
- 運行管理システム全体を刷新したい
- デジタコと連携するクラウドサービスを導入したい
- インボイス対応を進めたい
5. 都道府県トラック協会の助成金
各都道府県のトラック協会が独自に実施している助成金制度もあります。
助成内容(一例)
| 機器種別 | 上限額 |
|---|---|
| 運行管理連携型 | 3万円/台 |
| 標準型 | 2万円/台 |
| 簡易型 | 1万円/台 |
| デジタコ一体型 | 5万円/台 |
⚠️ 重要な注意点
国の補助金を受ける機器は、トラック協会の助成対象外となる場合があります。
詳細は各都道府県トラック協会にお問い合わせください。
申請方法
各都道府県トラック協会にお問い合わせください。
補助金を賢く活用するための準備ポイント
1. 自社に合った補助金を見極める
❗複数の補助金制度がありますが、同一の経費・機器に対する重複受給はできません。
自社の状況に最も適した制度を選びましょう。
選択チェックリスト
- ☐ 車両台数は10台未満か?→ 事故防止対策支援推進事業
- ☐ 複数台まとめて導入したいか?→ トラック輸送省エネ化推進事業
- ☐ 配車システムと連携させたいか?→ トラック輸送省エネ化推進事業
- ☐ 点呼業務を効率化したいか?→ 自動点呼機器導入支援事業
- ☐ 総合的なIT化を進めたいか?→ IT導入補助金
2. 今から準備すべき3つのこと
① 対象機器の選定
補助金の対象となる機器は事前に登録されたもののみです。メーカーや販売店に確認し、以下を押さえましょう:
- 国土交通省の対象機器一覧に掲載されているか
- 必要な機能(GPS、ドラレコ一体、通信機能等)を満たしているか
- システム連携の要件をクリアしているか
② 導入計画の策定
- 導入台数と時期
- 期待する効果(燃費削減率、事故削減目標等)
- 予算の確保
- 既存システムとの連携方法
③ 必要書類の準備
申請には以下のような書類が必要です:
- 事業者の登記簿謄本
- 運送事業許可証の写し
- 見積書
- 導入効果の計画書
- システム連携の証明書類(省エネ化推進事業の場合)
今のうちに書類を整理しておくことで、申請開始と同時にスムーズに手続きができます。
2026年度に向けた戦略的スケジュール
2025年度後半(現在~2026年3月)
- ✓ 各補助金制度の情報収集
- ✓ 対象機器の比較検討
- ✓ メーカー・販売店との相談
- ✓ 導入効果のシミュレーション
- ✓ 社内稟議・予算確保
2026年4月~6月
- ✓ 2026年度補助金情報の確認(公募要領の発表を待つ)
- ✓ 申請準備(書類作成、電子申請システムへの登録)
- ✓ 見積書の取得
2026年7月~9月
- ✓ 補助金申請(公募開始と同時に)
- ✓ 交付決定の通知を待つ
⚠️ 早期申請が極めて重要!
2025年度の事故防止対策支援推進事業は、2026年1月時点で予算消化率90%に達しています。予算上限到達により申請受付が早期終了する可能性があります。
2026年10月~2027年2月
- ✓ 機器発注・導入(交付決定後に発注)
- ✓ 導入完了・実績報告
- ✓ 補助金の受領
よくある失敗パターンと対策
| 失敗パターン | 対策 |
|---|---|
| ❌ 交付決定前に発注してしまった | ✅ 必ず交付決定通知を受け取ってから発注する ※例外:トラック輸送省エネ化推進事業の高輸送効率車両(ダブル連結トラック・スワップボディコンテナ車両)は、執行団体の交付決定日(令和7年4月4日)以降の新車登録車両も対象 |
| ❌ 申請期限に間に合わなかった | ✅ 公募開始と同時に申請できるよう、事前準備を徹底する |
| ❌ 対象外の機器を購入してしまった | ✅ 必ず対象機器一覧を確認し、メーカーに補助金対応を確認する |
| ❌ 必要な効果報告ができなかった | ✅ データ収集の方法を事前に確認し、運用体制を整える |
| ❌ 予算が早期に終了していた | ✅ 早期申請を心がける(予算は先着順で終了することが多い) |
| ❌ 申請内容に不備があり期限内に修正できなかった | ✅ 余裕を持って申請し、不備訂正期限(令和8年2月25日等)を確認する |
補助金活用の成功事例
【事例1】中小運送会社A社(車両8台)
| 活用制度 | 事故防止対策支援推進事業 |
|---|---|
| 導入機器 | ドラレコ一体型デジタコ 8台 |
| 補助額 | 約60万円(総額120万円の1/2)※実例に基づく試算 |
| 効果 | 事故率30%減、安全運転指導の効率化 |
【事例2】中堅運送会社B社(車両25台)
| 活用制度 | トラック輸送省エネ化推進事業 |
|---|---|
| 導入機器 | 通信型デジタコ 25台 + 配車システム |
| 補助額 | 約280万円※想定試算例 |
| 効果 | 燃費5%改善、配車効率向上で売上増 |
【事例3】小規模運送会社C社(車両5台)
| 活用制度 | IT導入補助金 + 自動点呼機器導入支援 |
|---|---|
| 導入機器 | 運行管理システム + 自動点呼機器 |
| 補助額 | 約80万円※想定試算例 |
| 効果 | 事務作業時間50%削減、点呼業務の負担軽減 |
※補助額は導入費用や条件により変動します。上記は参考試算例です。
まとめ:今すぐ始める3つのアクション
2026年度も同様の補助金制度が継続される可能性が高いですが、準備が早ければ早いほど有利です。以下の3つのアクションから始めましょう。
アクション1:情報収集
- 各補助金の公式サイトをブックマーク
- メールマガジンやSNSで最新情報をキャッチ
- 所属するトラック協会の情報をチェック
アクション2:専門家に相談
- デジタコメーカー・販売店に補助金対応を確認
- 税理士や中小企業診断士に相談
- 都道府県トラック協会の窓口を活用
アクション3:導入計画の策定
- 自社の課題を明確化
- 導入効果の目標設定
- 予算の確保と社内承認
重要な注意事項
補助金の重複受給について
- 同一の経費や機器に対して、複数の国の補助金を重複して受け取ることはできません
- 過去(令和2年度~令和6年度)に「トラック輸送の省エネ化推進事業」の交付決定を受けた車両は、同一車両について再度申請できません
- 国の補助金と都道府県トラック協会の助成金の併用可否は、各協会により異なります
- 申請前に必ず各制度の要件を確認してください
交付決定前の発注について
- 原則:交付決定通知を受け取る前に発注・契約したものは補助対象外
- 例外:トラック輸送省エネ化推進事業における高輸送効率車両(ダブル連結トラック・スワップボディコンテナ車両)は、執行団体の交付決定日(令和7年4月4日)以降に新車登録された車両も補助対象
- 事前導入のリスクを十分理解した上で判断してください
申請書類の不備訂正期限
- 社内安全教育以外:令和8年2月25日(水)までに不備のない状態で提出が必要
- 社内安全教育:令和8年2月13日(金)までに不備のない状態で提出が必要
- 期日までに完了できない場合、申請が取り消される可能性があります
お問い合わせ先・参考リンク
補助金制度の公式サイト
各都道府県トラック協会
問い合わせ先
事故防止対策支援推進事業
TOPPAN株式会社 令和6年度補正被害者保護増進等事業費補助金事務局
電話:03-4446-4346(平日9:00~18:00)
補助金ポータルサイト
おわりに
デジタコの導入は、単なる法令遵守のためだけでなく、安全性向上・燃費改善・業務効率化という大きなメリットをもたらします。手厚い補助金制度を活用すれば、導入費用の負担を大幅に軽減できます。
2026年度の補助金公募が始まってから慌てるのではなく、今から計画的に準備を進めることが成功の鍵です。本記事が皆様の補助金活用の一助となれば幸いです。
※免責事項
本記事は2025年度の補助金情報を基に作成しています。2026年度の制度内容(補助率、補助額、申請期間、要件等)は変更される可能性があります。申請の際は必ず最新の公式情報をご確認ください。
また、記事中の成功事例における補助額は参考試算例であり、実際の補助額は導入費用や各事業者の条件により異なります。