デジタコ(デジタルタコグラフ)導入で運行管理が進化!今、運送業者にとって必須のツール



■タコグラフの義務化と進化


タコグラフ(運行記録計)は、車両総重量78トン(最大積載量45トン)の事業用貨物自動車に装着が義務付けられている重要なツールです。この装置は、ドライバーの運転記録を把握し、事故や運行管理の際に大いに役立ちます。事故発生時にタコグラフのデータを確認することで、運転の状況や過去の記録を基に詳細な分析が可能になります。

しかし、従来のアナログ式タコグラフ(アナタコ)では、知識と経験がなければデータを適切に読み取ることが難しく、また記録を手動で処理するため、時間や手間がかかるという課題がありました。そこで登場したのが「デジタルタコグラフ(デジタコ)」です。

デジタコは、運行管理の効率化を大幅に進め、より多くの情報をリアルタイムで記録・解析できるため、今では運送業者にとって欠かせないツールとなっています。

 

アナログ式タコグラフとデジタルタコグラフの違い

デジタコと従来のアナタコの大きな違いは、主に以下の3点です。

  • 記録媒体
    アナタコはアナログ記録紙に記録されるのに対し、デジタコはデータをメモリーカードや専用カードに記録します。
  • 記録されるデータ
    アナタコでは運転速度、走行距離、エンジン回転数が主に記録されますが、デジタコはそれに加え、GPSによる位置情報、急加速・急減速、ドアの開閉状態など、より多くの詳細データを記録できます。
  • データの解析方法
    アナタコの記録は専門知識を持った担当者が手動でデータ化する必要がありますが、デジタコはパソコンや専用機器を用いて自動的にデータ化・解析されます。

 

■デジタコで得られる効果と検討事項


デジタコ(デジタルタコグラフ)は、運行管理の効率化と安全性向上を目的として導入が進められています。この記事では、デジタコの主な効果と導入にあたって考慮すべきポイントについて解説します。業務改善の可能性を最大限に引き出すために、メリットと課題をしっかりと理解しましょう。

 

デジタコのメリット

デジタコを導入することの最大のメリットは、運行管理の効率化と安全性の向上です。具体的なメリットは以下の通りです。

  • 詳細な運転データの収集
    デジタコは、運転速度だけでなく、急加速・急減速、GPSデータ、ドアの開閉状況など、多くの詳細情報を記録できます。これにより、ドライバーの安全運転がより明確に把握でき、危険運転の早期発見や指導が可能となります。
  • 運行管理の効率化
    データが自動で収集され、パソコンや専用機器を使って即座に解析できるため、運行管理の手間が大幅に削減されます。これにより、業務時間の短縮と、運行管理担当者の負担軽減が実現します。
  • ドライバーの負担軽減
    デジタコにより業務日報の作成が不要になり、ドライバーの時間短縮に繋がります。さらに、クラウド型デジタコを導入すれば、運行中にリアルタイムでドライバーの状況を確認でき、運行管理がよりスムーズになります。
  • リアルタイム運行監視
    クラウド型システムを使用することで、運行管理者はリアルタイムでドライバーの運行状況を把握でき、迅速な対応が可能になります。

 

デジタコのデメリット

デジタコの導入にはいくつかのデメリットもありますが、その影響は限定的です。

  • 初期導入コスト
    デジタコの導入費用は、アナタコに比べて高くなります。特に、ドライブレコーダー機能を搭載したデジタコは、さらなるコストがかかります。
  • 運行管理担当者の教育が必要
    デジタコを最大限に活用するには、専用機器の操作やデータ解析についての教育が必要です。新たに導入した場合、運行管理担当者の教育が求められる点も考慮する必要があります。

 

■自社に最適なデジタコを選ぶために


デジタコは、複数のメーカーが製造しており、それぞれ異なる機能やサービスを提供しています。例えば、リアルタイムで運行状況を把握できるクラウド型のデジタコや、事故時の解析機能に特化した製品など、多岐にわたる選択肢があります。

自社に最適なデジタコを選定するには、まず自社の運行状況や管理のニーズを整理し、その上で複数のメーカーから情報を取り、比較検討することが大切です。各メーカーには、製品のデモンストレーションや、導入後のサポートを提供しているところもあるため、実際に問い合わせてみることをおすすめします。

最終的には、自社の予算や運行管理の目的に合ったデジタコを選ぶことで、より効果的な運行管理と、安全運転の促進が実現できます。

 

■デジタコの導入は必須!法改正と業界の動向


近年、商用車両に対するドライブレコーダーの装着義務化が進んでおり、すでにバスや一部の業務用車両には装着が義務付けられています。この流れは今後、トラックや大型車両にも拡大することが予測されており、デジタコとドライブレコーダーを一体化したシステムは今後さらに重要な役割を果たします。

デジタコは、事故の際に記録を元にした詳細な分析が可能になり、運行管理がより精密に行えるため、早期に導入することが運送業者にとっては今後の競争力にも繋がります。また、法改正に適応するためにも、早期にデジタコの導入を検討することが推奨されます。

 

■まとめ


デジタコは、従来のタコグラフに比べて非常に多くのメリットを提供し、運行管理を効率化するとともに、安全性の向上にも大いに貢献します。アナタコからデジタコへの移行はもはや選択肢ではなく、今後必須となるツールです。法令遵守、業務効率化、安全運転の促進を考慮すると、早期にデジタコを導入することが運送業者にとっては賢明な選択です。