2024年問題対策は何をするべき?6割の事業者が対策できていない理由とは



トラボックス株式会社(以下、トラボックス)は、10月6日に発表された「物流緊急政策パッケージ」を受け、運送事業者に対し物流2024年問題に関する調査を実施しました。

その調査結果を一部抜粋し、2024年問題対策は何をすべきなのかをご紹介いたします。

 

■この調査の背景


2022年度、負債1,000万円以上の「道路貨物運送業」の倒産は、燃料の高騰など物価高の影響を受け263件で前年比43.7%増となりました。運送業界に深刻な状況が続いている中、2024年まで残り数か月に迫り、運送会社の対応状況、適正な運賃の収受、任節への要望などをアンケート調査が実施されました。

※出典:株式会社東京商工リサーチ「2022年度の「道路貨物運送業」倒産 263件」

(https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1197570_1527.html)

<調査概要>

調査方法:インターネット

調査期間:2023年9月6日~10月3日

調査対象者:トラボックス会員である代表者、配車担当者の307名

(トラボックス調べ)

 

■2024年問題に対策できてない運送事業者が6割


トラボックスは、調査対象者に対し「2024年問題について貴社で対策は立てられていますか?」というアンケートを取ったところ、6割の事業者が「対策できてない」と回答しました。対策を立てている割合は、6.2%がすでに対応済み、32.9%が対応実行中でした。

「対応できていない」と回答した理由は、「今後対応予定(20.5%)」、「対策検討中(18.2%)」、「余裕が無くて出来ていない(13.4%)」、「何をしたらいいのか分からない(8.8%)」という結果でした。

トラックの保有台数が100台を超えると、対応実施率が高いことも見受けられます。

確かにトラックの保有台数関係なく、運送業界は時間に追われデータの分析などに時間を割くのは困難かと思います。しかし、トラックの保有台数が少ない運送会社は、台数が少ないからといって後回しにせず早めの対策を!

 

■物流緊急政策パッケージが発表され荷主は変化したのか


物流緊急政策パッケージは、「1.物流の効率化」「2.荷主・消費者の行動変容」「3.商慣行の見直し」の3点から構成されています。荷主からの不適正な要求は、経営が逼迫する要因にもなっており、緊急政策パッケージにおいても重要な課題です。

しかし、政府が緊急政策パッケージを発表し、2024年問題についての報道が増加したのにも関わらず、荷主の不適正な要求は「変わらない」と回答した運送会社が、68.4%もいるのは驚きの結果となりました。

荷主へ適正な運賃を請求出来ていると回答したのは、たったの14.7%、待機時間や高速料金などの必要な経費の請求ができているのも17.9%と非常に低い水準です。

 

■2024年問題は何をすべきなのか


持続可能な物流の実現に向けた検討会では、「物流の適正化・生産向上に向けた荷主事業者・物流事業者が取り組むべき事項(案)」としてまとめられました。

物流事業者の取り組み事項で実施必要なのは、以下の5点です。

    • ・業務時間の把握・分析
    • ・長時間労働の抑制
    • ・運賃・料金の明確化
    • ・標準的な運賃の活用
    • ・契約内容の見直し

業務時間の把握・分析は、デジタコを導入することで自動集計ができるようになり、分析もしやすくなります。②長時間労働の抑制においても、クラウド型運行管理システムと連動式の労務管理機能を導入すれば、細かな労働時間の把握、改善基準告示に抵触しないかのチェックも可能です。また、デジタルデータから出発時間の見直しや待機時間の削減など荷主への交渉や運行管理の最適化にも役立てることができます。

管理する上で別々のシステムを使っていると分析に時間がかかるケースも多く、従業員の負担も大きなものになります。なるべくシステムを一つにまとめることで作業時間の効率化にもなり、2024年問題を解決する手立てになるでしょう。